一種個体群の動態、つまり増殖するのか減少するのかを考える。はじめに世代ごとで考えてみよう。世代をt、t世代での個体数を$N_t$で表すこととする。なお個体群中における個体はすべて等しいものとみなす。個体ごとに生存確率や適応度が異なるような場合は一旦考えないでおく。個体差を含めたモデルはこの後単純な一種個体群の動態が終わってから扱う。
$$N_{t+1} = N_t +出産数 – 死亡数 …(1)$$
式(1)は単純化した差分方程式のモデルである。差分方程式は簡単に言えば数列である。$N_{t+1}-N_t$のように差分(引き算)についての関係式であるため差分方程式という。
式(1)では個体が他の個体群に移出することや他の個体群から移入することはないものとしている。
ここで (+ 出産数 – 死亡数)の部分が世代間の差分であり個体群の動態を考える際の要点である。そこで
$$ + 出産数 – 死亡数 = N_t R …(2) $$
とする。Rは一個体あたりの (+ 出産数 – 死亡数) である。(2)を用いると(1)は次のようになる。
$$ N_{t+1} = N_t + N_t R …(3) $$
式(3)を解く。差分方程式における「解く」は$N_t =$ の形にすることである。
\begin{eqnarray*}
N_{t+1} &=& (R+1)N_t : N_tでまとめる\\
N_{t+2} &=&(R+1)N_{t+1}\\
&=&(R+1)^2N_t
\end{eqnarray*}
上の式からわかるように$R+1$の指数をかければよいので
\begin{eqnarray*}
N_{t} &=&(R+1)^t N_0…(4)
\end{eqnarray*}
$N_0$というのは初期状態である。一番最初の世代の個体数である。これで一番簡単な増殖のモデルが解けた。ただこれだけだとよくわからないのでグラフを描いてみよう。$N_0=5$として複数のRで作成する。それぞれの折れ線は$R=0.1 , 0.2, 0.3, 0.5$である。$R$がわずかに大きくなるだけでも世代が進むにつれて大きな差が生じることがわかる。また急速に大きくなる指数関数的な増殖もわかる。スクリプト

参考
- 8. p49-50
- 7. p1-11
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