1.1.2 指数関数的増殖

1部 個体群動態理論生態学 理論

1,1,1は差分方程式であるがここでは微分方程式をあつかう。

一種のみの個体群の動態を調べるために増加速度に着目する。

個体数をn、tを時間とおくと増加速度は$dn/dt$とかける。これは微分の定義を考えることで理解できる。そもそも微分とは微小時間での変異を求めること、つまりその時の変化量を求めることである。$n$の時間$t$における変化量を求めており$t$が微小であればそれは増加速度になるだろう。

1個体が増殖して$r$個体になると考えよう。これは1個体から$r$個体ができるというイメージでもよいがその場合にはその最初の1個体は$r$個体ができるときにはいなくなっている、死んでいるということである。この点に注意しよう。最初の1個体がそのまま生きていて新たに$r-1$個体が誕生したと考えても良い。あくまで時間がたつと$r$個体になるということでそこに最初にいた個体が残っているのかはわからない。

またここで$r$は理想的な条件における最大の増殖率ということもできる。これを内的自然増殖率(内的自然増加率、内的自然繁殖率)という。$r$は資源の制限などを考慮しない。

以上の前提をもとに次のように書ける。

$$dn/dt = r n …(1)$$

$n$がどのように変化するかを知りたいので$n(t)=$の形にしたい。(nは時間によって定まる。tを時間とするとnはtの関数である。)そこで(1)をtで0からtで積分する。積分しやすいように両辺を$n$でわる。

\begin{eqnarray*}
\frac{dn}{dt} \frac{1}{n} &=& r\\
\int_0^T \frac{dn}{dt} \frac{1}{n} dt&=& \int_0^t r dt\\
\int_0^T \frac{1}{n} dn&=& r t – r 0\\
\log n(T) – \log n(0) &=& rt\\
log \frac{n(T)}{n(0)} &=&r t:対数関数の性質より引き算を割り算に変換\\
\frac{n(T)}{n(0)} &=& e^{rt} :対数の定義より\\
n(T) &=& e^{rt} n(0) …(2)
\end{eqnarray*}

(2)について$n(0)$は最初の個体数であり、$r$は増殖速度でいずれも定数である。そのため単純な指数関数であることがわかる。指数関数的な増加をわかりやすくするために図を見てみよう。以下では$r = 0.1,0.2,0.3,0.5 $でグラフを作成している。時間がたつほど急速に増加することが特徴である。このような増加を指数関数的増殖、またはマルサス増殖と呼ぶ。また$r$をマルサス係数という。スクリプト

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